2026/02/06

【コラム】辰泉酒造 ー 信念と誇りで、会津の酒を極める


幻の酒米「京の華」復活にかけた想い


米どころの福島県では、多くの酒蔵が米にこだわった酒造りに取り組んでいます。その中でも「地元産の米の価値を追求すること」に対して、執念とも言うべき情熱を燃やしてきたのが、会津若松市の辰泉酒造です。

辰泉酒造を代表する銘柄「京の華」は、酒造りに使用されている米の品種を、そのまま商品名にしたもの。この酒造好適米「京の華」は、一度は福島のすべての田地から姿を消し、幻の米と呼ばれていた品種なのです。

元々は大正時代に、山形県庄内地方で生み出された酒米「京の華」。やがて会津地方にもこの米の育成が広がり、福島県のオリジナル品種として「京の華 1号」も開発され、会津の酒造りの発展を支えました。

しかし、あらゆる業界が大量生産と効率化へと向かっていた時代。栽培に手がかかる「京の華」や「京の華 1号」は生産性の低さから敬遠されるようになり、遂には全国で生産が終了してしまいます。

しかし1980年、会津の米農家と蔵元が苦労して築いてきた「京の華 1号」の酒造りを復活させたいと、当時の辰泉酒造の社長新城新次氏が立ち上がります。地元の3人のベテラン農業家と協力し、わずかに保存されていた種籾から、3年掛かりで幻の米「京の華 1号」を復活させたのです。

「京の華 1号」は手に入るようになったものの、30年もの間途絶えていた品種での酒造りは、決して簡単な道のりではありませんでした。しかし、「会津で復活させた米で、最高の日本酒をつくる」という決意は固く、苦心の末に辰泉酒造は「純米大吟醸 京の華」を誕生させます。

一口飲むと、豊かな香りと深みのある米の旨さ、そして独特のまろやかな余韻を残す「純米大吟醸 京の華」。その極上の味わいは全国新酒鑑評会でも高く評価され、通算7回の金賞受賞という栄誉を受けました。

すでに忘れ去られていた、幻の酒造好適米。それでも先人達の努力と、最高の米を育ててくれる会津の土地の力を信じて「京の華 1号」を復活させた辰泉酒造。この蔵元だからこそ、米の美味しさを最高に引き出す日本酒を造り続けることができるのでしょう。



「大量生産」や「効率化」では守れないものがある



辰泉酒造のもう一つのこだわり、それは一つずつ手作業で丁寧に仕込んでいく昔ながらの酒造りです。

先代の社長が信念を持って甦らせた「京の華 1号」。その上質な酒米がかつて日本の田から消えてしまった背景には、現代社会に押し寄せた大量生産と効率化の波がありました。時代の流れと共に、社会のあり方も変わっていきますが、酒蔵という伝統を重んじる世界だからこそ守り抜ける価値があるのかもしれません。

小規模での生産を維持することで、蔵人の目が酒質の微妙な変化を隅々まで感じ取れるように。そして蔵人の手が最高の状態で日本酒を仕上げられるように。時代の中で辰泉酒造が守り続けてきた酒造りの価値は、鑑評会での受賞歴という形で証明されています。

全国新酒鑑評会で幾度も金賞を受賞している辰泉酒造の日本酒は、森株式会社の公式オンラインショップでいつでもお取り寄せいただけます。この機会にぜひチェックしてみてください!


辰泉酒造【福島県会津若松市】 | 森株式会社 公式オンラインショップ