2025/04/04

【コラム】南会津の山里で、浪漫あふれる酒造りを続ける蔵人たち


自分たちが求める酒を、自分たちの手で


どこか懐かしい日本の原風景、穏やかな南会津の山里に花泉酒造はあります。雪が降ると交通が遮断され、陸の孤島となってしまう旧南郷村。村人たちは冬の季節には村に酒が入ってこないと嘆き、「こうなっては自分たちで造るしかない」と考えたことが、酒造りの始まりだったといいます。

酒を愛する地元の有志が集まり、試行錯誤を重ねて日本酒と向き合ってきた花泉酒造。叩き上げの蔵人たちが辿り着いたのが、「もち米四段仕込み」という製法でした。

現代の一般的な酒造りでは、水・麹・米を3回に分けて仕込む「三段仕込み」が行われていますが、花泉酒造はそこからさらに、会津産もち米「ヒメノモチ」をもう一段仕込むのです。この製法によって独特のコクと旨味を増した日本酒も、仕込みに使われる名水高清水のおかげで後味はすっきり。飲み口の綺麗な日本酒に仕上がっています。

かつては多くの酒蔵で取り入れられていた四段仕込みも、時代と共に数が減っていき、全銘柄でこの製法を守り続けている酒蔵は希少と言われています。

地元の蔵人たちが自分たちの手で苦心して作り上げ、独自の工夫を取り入れてきたからこそ、時代を経て今も続いている四段仕込み。心から酒を愛した人たちの、情熱と浪漫がそこには息づいているのです。

 

待望の春を祝うのにふさわしい純米吟醸




花泉酒造がある南会津町は、日本有数の豪雪地帯。雪に降り籠められる長い冬を経て、山里には明るい春が訪れます。

花泉酒造には、そんな四季折々の情感を込めた季節の日本酒「ロ万」シリーズがあります。中でも満開の春を祝うのにふさわしいのは、「花見ロ万 純米吟醸 低アルコール一回火入れ」。

シリーズで最も低いアルコール度数は、花見の宴らしい幸せなほろ酔い気分を味わうため。舞い散る桜の下で、長く待ち望んだ春を味わい尽くすひととき。フルーティーな香りの純米吟醸が、福島の花見を彩ってくれます。

この春、地元の仲間とお酒を持ち寄って花見をする機会には、ぜひ花泉酒造の「花見ロ万 純米吟醸」をお取り寄せしてみてください。会津の山の中で独自の進化を遂げた日本酒は、飲めば豊かな香りと幸せな驚きが広がります。それぞれのお気に入りの日本酒を披露する場面で、きっと強い印象を残すことができる一本です。

「花見ロ万」は例年早期完売する商品の為、完売の際はご容赦ください。花泉酒造には他にも初夏や夏、秋、冬、早春など、それぞれの季節を表現した個性豊かな「ロ万」シリーズの日本酒が揃っています。また、酒蔵の原点ともいえる「花泉」シリーズとの飲み比べもおすすめ。

南会津の豊かな自然と、村の人々の笑顔で醸される日本酒。ぜひ一度お試しください!

花泉酒造【福島県南会津町】